パラダイムのナイフ
サイコミで新連載が始まった金曜連載の漫画「明日、私は誰かのカノジョ」
彼女代行(お客の恋人役となりデートなどをするサービス)で生計を立てる白井雪(しらい ゆき)と、その美しさに心引かれた男性の人間模様を描いた作品
この作品で注目するポイントは人間の本質・特徴やビジネスの真理が随所に見られる事
(これから紹介するシーンは先読みの部分も含まれます
先読みはサイコミのトップページの「ガチャ」でコインを集めるか、その他のページにある「ショップ」で有料でコインを買い、先読みの話でコインを使うと更新前でも話が見られるようになります)
- 自分のパラダイム(思い込み)で話をする
Wデートで映画を見たシーン
映画で世の中の理不尽さを表現した事に対して彼女代行の依頼人である辻壮太(つじ そうた)が感想を述べるシーン
雪は小さい時、母親から虐待を受けた過去があり右の顔から肩にかけて火傷のあともある
恵まれた家庭で育ったが故に冷くひどい親で育った子供の気持ちが分からず無意識に軽蔑という言葉が出てしまった
その結果、自分のパラダイム(経験や感じ方)でモノを言ってしまい雪の心を無意識に傷付けてしまったのだ
自分のパラダイムで無意識に心にナイフを突き立てるシーンが他にもある
なぜ彼女代行をしてるかを聞いたシーン
"普通ならば"喫茶店など思い付く限りの候補が出るのだろうが、彼は彼女の事をよく知らない結果、自分のパラダイムで話し無自覚にまた傷つけてしまう
- 人は単にしゃべるだけで気分が良くなる
仕事で、とあるビジネスマンと食事をし依頼人がビジネスにおいて仕事の内容をみんなが理解し賛成を得る事の重要性を語るシーン
人の関心は常に「自分」にある
どこかでデモが起きたとか、どっかのトップが謝罪会見で頭下げたと言うよりも、自分が前から欲しがってた本がついに買えたと言うのが1番の関心事なのだ
そして話を聞く際は相手に関心を持って聞くと興味を持ち信用を得られやすくなる
- カネは「信用」が形になったもの
代行事務所から報酬を受け取るシーン
堀江貴文氏が手がけた本『バカは最強の法則』に、こんな言葉がある
カネと言ってもお札だけでなく宝石やバッグ、果てはカードのポイントなどもカネの仲間である
簿記の用語で「流動資産」と言うのがあるが、まさにこれらが流動資産の仲間である
流動資産とはすぐに現金や商品に交換できる資産のこと
だが、ただ単にお札を集めるのは意味がない
なぜならお札とは、こう定義してるからだ
つまりお札や100円玉と言った貨幣は「万能なクーポン券」に過ぎないのだ
カネを集めるにはクーポン券を集めるのではなく信用を集めるのが必要になってくる
では信用を得るにはどうするか?
それは「とにかくギブする」
見返りとかは一切考えずにギブし続ける
そしてギブするのは誰にでも出来る事である
この言葉が私を救ってくれた言葉と言っても過言ではない名言である
一緒にいるだけで楽しいと思える工夫と努力をし続けようと思えたシーンでもある
漫画の著者・をのさんは背景の資料集めに"レンタルなんもしない人"と同行して描いたとの事だが、この"レンタルなんもしない人"こそがこれからの時代に必要な「ギブしまくる人」と言う手本となる人物だと思う
これからの人間関係の展開にも注目だが劇中に出てくる人の核心を突くフレーズ等にも目が離せない